ninja beats インタビュー | ウクレレ×ビートボックスで世界を魅了するパフォーマンス

2016.6.7


ninja beats | 世界に向けたパフォーマンス、ウクレレ×ビートボックス音楽ユニット

世界最大規模のバンドコンテスト、EMERGENZAの2015年大会で世界一の王冠を掴んだ、ウクレレとビートボックスの音楽ユニットninja beats。若干21歳にしてビートボックス歴10年のYUYAさんと、サイパン仕込みのウクレレ奏者SHINさんに、そのユニークなサウンドのルーツとなるバックグラウンドと、ninja beatsの今後を語っていただきました。

 


——早稲田大学発ということですが、まずはninja beatsの結成のきっかけをお願いします。

YUYA:今僕が現役の四年生で通っているんですけれども、相方のSHINさんは早稲田の卒業生です。

——サークルで知り合って「やろうぜ」、みたいな感じですか?

YUYA:そうですね。僕自身はもともとヒューマンビートボックスを楽器と組ませたくて。

SHIN:僕たちがいた音楽サークル(SILS MUSIC CLUB)が、オールジャンルで、音楽だったらなんでもありだったんです。三味線奏者がいたり、僕もバンドにウクレレをぶっ込んでみたりとか(笑)。で、YUYAくんがそのサークルに後輩として入ってきて、一度スタジオでセッションしたら意気投合しました。

——お二人がそれぞれの楽器を始められた経緯は?

YUYA: 幼い頃、親がマイケル・ジャクソンのDVDを買ってきたのがきっかけで、物心ついた時から観ていました。そこで初めてムーンウォークという技を見た時に、人が普段できない「どうなっているんだろう」というようなパフォーマンスに凄く感動しまして。自分もいつか人を驚かせるようなパフォーマンスをできるようになりたいなと思って、最初はムーンウォークをやっていました(笑)。そういった時に、AFRAさんを富士ゼロックスのCMでたまたま観て、ビートボックスを始めました。

SHIN:僕は今こうやって日本語を喋っていますが、英語圏のサイパン島で17年育った帰国生なのです(笑)。生後数ヶ月の時から、17歳くらいの時までサイパンで生活していました。ウクレレは、向こうの中学校の音楽の授業の必修科目で、それがきっかけで始めました。最初は必修だからやっていたものの、弾いていたら徐々に楽しくなってきたって感じですね。でも、これにはアイデンティティ的な意味合いがありまして。

帰国生だったら同じような経験をした方が他にもいるかも知れませんが、自分が誰なのかわからなくなる時期がありまして。向こうでウクレレと言えば、基本的にはアイランドミュージックをみんな弾きます。自分も一生懸命真似はするんですけど、どんなに頑張って真似をしても僕はアイランダーになれないんですよ、結局は日本人なんで。その時に、「僕(サイパンで育った日本人)にとってのウクレレを探そう」と思って、全く別ジャンルで僕にしかできないものをやりたいと思い始めました。

そう考えたときから普通のウクレレじゃなくて、電気を通して特殊な音に変えてみたりだとか、日本の大学来てからバンドと一緒にやってみたりだとか、結構いろんなことをしていて。で、最終的に今のninja beatsの形態にたどり着きました。

——ninja beatsの音楽ってダンスミュージック、EDM的な要素とか、エレポップ的な要素とかが聞こえて、でもさらに「和」な感じも聞こえる気がします。この音になるまでにどのようなアーティストを聴いて、影響を受けたんですか?

YUYA:最初に覚えているのは、Skrillexのダブステップを再現しようとしていたのはありました。最初の方に出来上がった曲で「parallel」っていう曲があって、あの曲をやっている時にダブステップとウクレレっていうのは間違い無くSkrillexを意識したのかなと。あと他にはこのアーティストというのはないのですけど、EDMでよくあるビルドアップやドロップってあるじゃないですか。そのビルドアップからのドロップという構成は何かのアーティストというよりはEDMっていう広い音楽を参考にして作り上げたっていうのはあります。

 
——じゃあもともとEDMが好きなんですね。

YUYA:そうですね、僕はけっこう聴いていますね。

SHIN:わりとクラブミュージック好きだよね(笑)。

——SHINさんはどのような音楽が好きなんですか?

SHIN:かなりの雑食です。インストだと押尾コータローさんやPetteri Sariolaさんのような超絶技巧派ソロギタリストや、世界的ウクレレ奏者のJake Shimabukuroを聴いてましたし。クラシックも聴きます、マーラーやラフマニノフとか。あとは日本のバンド。ONE OK ROCKさん、THE BAWDIESさん、[Alexandros]さん、ゲスの極み乙女。さん……ろきりがないくらい。同世代だとYogee New Wavesさん、Suchmosさん。つい最近メジャーデビューが決まったCICADAさんも良く聴いてますし、ライブもたまに行ってます。あとは、YouTubeでボカロのアーティストをひたすら漁ってた時期もありました。

——趣味の違いが興味深いです。

SHIN:でも(YUYAに)影響受けてEDMもガッツリ聴くようになったかな。聴いてみたら意外とウクレレって合うんじゃないかと感じたりも。なぜかというと、EDMって綺麗なフレーズが多いんですよ。所々に綺麗なフレーズが来てからのドーンと激しいのが来たりするんで。もともと全然違うジャンルを聴いてたっていうのは結構面白いかもしれないね。

——先ほども結成のいきさつを教えていただいたのですが、さらに掘り下げて、お二人は最初から海外を視野に入れて活動していこうと決められていたようなのですが、それについて詳しく教えていただけますか?

YUYA:もともと僕たちは結成した時に、パフォーマンスで多くの方に観てもらいたいという理由から、ニューヨークにあるアポロシアターという伝説的なホールでの出演を狙っていたのです。それを目指そうというのが僕の中であって。SHINさんも海外志向という面では同じで、そういった意識もあってか、外国籍の方にも受け入れてもらいやすいようなパフォーマンス音楽を作り上げていこうという気持ちはあります。

 
——ninja beatsさんは2015年に世界最大のバンドコンテスト、EMERGENZAで優勝されたっていうことで、しかもその時の反響が凄かったっていう噂を聞いたんですが、その時の様子を教えてください。

YUYA:向こうは良い意味でも悪い意味でも、必ず感情を表現してくれるところがありましたね。前の人が声を出していないと、声出しづらいとか遠慮してしまうという経験は日本人なら誰しもあると思うんですけど、海外の方は全然それが無くて(笑)。前の人がポツンと立っていても、後ろの人が声を出すとか。良いと思ったら、良いっていう風にとにかく声を上げてくれたり、返してくれます。メロディーを一緒に歌ったりして。もともと海外を視野に活動はしてはいたんですけど、その予感が見事に当たったっていう感想が一つあります。逆に、ちょっとでもミスや流れが崩れると途端に見向きもしなくなるので、そこらへんはシビアです(笑)。

——ninja beatsさんはすでに何度も海外で演奏されていますが、これから日本の若手アーティストが海外で活動していくためには、音楽業界のシステムとかビジネスとかどうなっていくべきだと思いますか?

SHIN:若手のアーティストはガンガン海外狙った方がいいと考えています。日本の音楽シーンって飽和状態なんじゃないかなと強く感じていまして、最近。メジャーでなくてもカッコいいアーティストさんやバンドさんがたくさんいるし、国内で差別化するのがかなり難しくなってきているかと。これからは最初から海外志向で行く方も増えてくるんじゃないでしょうか。TuneCoreをはじめ、ネット上のサービスを活用すれば簡単に海外のお客さんまで音源を届けることもできますし、その気になれば海外でライブをするのもできちゃいますよ。熱意を持ってクラウドファンディングすれば費用面の足しにもなるでしょうし、現地でストリートして日銭稼ぐのもありだと思います(笑)。

そういった点では、海外で活動するにあたってのシステムとかビジネス面は意外と整っているんじゃないかな。単純に、最初から無理と決めつけている方が多すぎる気がしています。音楽に対する価値観自体が日本と大きく異なる国もあるので、一度飛び込んでみると面白いですよ!!僕たち自身もまだまだ未熟ですが、二~三歩踏み込んだところまで考えて行動しないと若手アーティストは生き残っていけないと思うんで、是非チャレンジしてみて欲しいです。変化があり得ないほど速くなるこれからの時代には既存の考えは当てはまらなくなるでしょうね。

——最後にヨーロッパツアーに向けての意気込みを教えてください。

YUYA:行くからには帰ってくる時にちゃんと「自分たちが通用したな」という達成感を持ちたいです!「ダメだったな」とか「通用しなかったな」っていう思いでは帰ってこないように、毎回本気でライブをしてきます。何かしら爪痕を残すような勢いで行きたいなと思っています。

SHIN:向こうでライブするからには現地のバンドさんはもちろん、プロモーターさんとかイベンターさんとかと仲良くなって、何かしら次に繋がるような機会が掴めればなと思ってます。またヨーロッパに行ける何かをつかみたいです。


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ninja beats
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TuneCore Japan

Interview by:Ariel、Kentaro Kaiho
Supported by:Tokyo Tech Street

この記事の執筆者

TuneCore Japan Official Ambassador

TuneCore Japan 公認 学生アンバサダー

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